広島の野村祐輔
(25日、広島2―1巨人)
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本塁ベースの両端ぎりぎりへ、高さはほとんどが打者のひざあたり。広島の野村が、持ち味の制球力で巨人打線を手玉に取った。7回を投げて3安打無失点。チームを3連勝に導き、2位とのゲーム差を今季最大の10に広げた。
相手打者だけでなく、球審を試しているかのような絶妙な制球だった。球1個分、半個分ほどの出し入れで、ストライク、ボールを投げ分ける。それも直球だけでなく、カーブ、スライダー、カットボール、シュート、チェンジアップとすべての球種で、だ。一瞬の間があって、吉本球審の右手が上がることもあった。
最大のピンチだった一回1死一、三塁を併殺で切り抜けると、以降はすいすいと。150キロ超の直球で押す巨人のマイコラスとは対照的。140キロ前後の直球は見せ球に、変化球中心の投球で凡打を誘った。緒方監督は「今季一番の投球じゃないかな」。
登板前には朗報が入った。母校の広島・広陵高が甲子園出場を決めた。練習の合間に試合経過をスマホで確認するほど気にしていた様子で、「気合が入った。僕も負けられないな、と」。高校3年だった2007年夏は甲子園で準優勝投手になった右腕。後輩から刺激を受け、快投につなげた。雨降る岐阜でファンを沸かせ、昨年4月から続く地方球場での連勝を5に伸ばした。「なかなか試合を見る機会がないと思うので、いい投球がしたかった」。蒸し暑い夜、爽快に腕を振った。(山口裕起)
○西川(広) 八回に代打で適時内野安打。「好投していた野村さんの代打。なんとかしたかった」