学校法人森友学園(大阪市)による補助金不正受給事件で、大阪地検特捜部は31日、前理事長の籠池泰典(やすのり)容疑者(64)=大阪府豊中市=を逮捕した。特捜部は27日に続いて31日午後、再び出頭を求めて任意で事情を聴いていた。籠池容疑者はほぼ黙秘しているとみられ、強制捜査による実態解明が不可欠と判断した模様だ。
森友学園問題
国有地を取得して開設を目指した小学校舎の建設にあたり、森友学園は2015年12月3日の日付で、金額の異なる3通の契約書を作成。国土交通省の補助金申請時には最も高額の「23億8464万円」で提出し、約5644万円を不正に受給したとされる。
このほか幼稚園の教員数と、障害のある園児数に応じて交付される大阪府の補助金計約6200万円を学園側が不正に得た疑いもあり、特捜部が6月にそれぞれ補助金適正化法違反と詐欺の両容疑で家宅捜索していた。
一連の疑惑の発端である国有地売却問題では、鑑定価格からごみ撤去費8億1900万円が値引きされたことが表面化。特捜部は、当時の財務省職員らが国に損害を与えた背任容疑の告発も受理して捜査中だ。(畑宗太郎、一色涼)