安倍晋三首相は3日の内閣改造で、小野寺五典(いつのり)・元防衛相(衆院宮城6区)を防衛相に起用する方針を固めた。参院自民党が求める松山政司(まさじ)・参院国会対策委員長(福岡選挙区)も入閣させる方向だ。ただ、文部科学相として大臣経験者の伊吹文明・元衆院議長に打診したが、固辞されたという。首相の打診を固辞する動きが表面化したことで、首相が狙う局面打開の勢いがそがれる可能性もある。
世耕弘成経済産業相は留任させる方向になった。首相が重視する北方領土でのロシアとの共同経済活動の推進などを、引き続き担わせる考えだ。
小野寺氏は、政権復帰した2012年末からの第2次安倍内閣で防衛相を務めた。安定した答弁に定評があり、首相の信頼も厚い。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐる日報問題で揺れる防衛省の立て直しに向け、再び防衛相へ起用する方針になった。
小野寺、松山両氏は自民党岸田派に所属。同派会長の岸田文雄外相は首相に自派の議員を優遇するよう求めており、首相も考慮した形だ。岸田派が推す宮腰光寛・元農林水産副大臣の起用も検討する。
自民党役員では細田博之総務会長と下村博文・幹事長代行も交代する見通し。首相と同じ細田派出身の両氏を党の要職から退かせ、党内にくすぶる「お友達優遇」との批判をかわしたい考えだ。
首相は1日の自民党役員会で「…