津軽弁での朗読に取り組んでいる先輩の活動を伝えた、青森明の星高校の菅原菜々美さん=4日、仙台市
第41回全国高校総合文化祭「みやぎ総文」の放送部門では3、4の両日、全国の放送部員による、映像作品や朗読などの発表が仙台市であった。若い世代の方言離れが進む中、自分たちが住む地域の方言の魅力を見直し、様々な切り口で伝えるものが目立った。
特集:みやぎ総文2017
5分以内のビデオ作品を制作する「ビデオメッセージ部門」に出品された鹿児島県立加治木高の作品「かごんま弁」。「『方言女子』がはやっているから、鹿児島弁で告白しようと思う」と決意した女子生徒が、「おいとつきあっくいやい!(私と付き合ってください)」と言ってみると、それを聞いていた女友達が「鹿児島弁って、可愛くなーい!」と叫ぶところから始まる。
県民に鹿児島弁のイメージを尋ねたり、校内放送で鹿児島弁を使ってみたり。様々な角度から方言について考えた後、最初に登場した生徒は鹿児島弁をうまく使い、よりソフトに告白できるようになる。2年の田中美月さん(17)は、「調べていくうちに、自分たちも方言の面白さに気付いた」という。
岐阜県立加納高も、テレビで見た「可愛い方言ランキング」で岐阜弁が42位だったことにからめ、岐阜弁を分析する内容。最終的には、関西と関東の特徴を兼ね備えた「ハイブリッド方言」と、前向きに結論付けた。3年の小山結衣さん(18)は、「岐阜弁は特徴がなく、どこにいってもその方言になじんでしまうと言われる。でも、それが逆に特徴だと思う」。
方言の継承に着目したものも。沖縄県立宮古高校は、宮古島の方言を標準語などと取り混ぜて使う劇団の活動を紹介。アナウンス部門では、青森明の星高2年の菅原菜々美さん(16)が、津軽弁での朗読活動に取り組む卒業生について話した。「津軽弁は温かい感じがする。自分も理解して、使ってみたいと思った」(丸山ひかり)