事故抑止のため、道路の規制(制限)速度は順守すべきだが、実態に合わず厳しすぎるところは状況に応じて緩和する――。警察庁は規制速度を引き上げ、事故件数などを検証してきたが、事故が増える傾向はなかったことが分かった。今後、規制速度の引き上げを進める方針だ。
同庁が3日、分析結果を発表した。規制速度は事故の危険性や道路構造などを踏まえて定められているが、実際の走行速度とかけ離れているところもある。警察庁は交通の円滑化を図るため、2009年度から見直しを実施。14年度からは特に40キロ、50キロ規制の路線のうち、実際の速度がおおむね20キロ超上回っている区間などを対象に見直しを進めてきた。
14~16年度の検討対象は8006区間の1万9337キロ。うち2610区間5千キロで、40キロから50キロ、60キロ、50キロから60キロへの緩和を決めた。40キロ、50キロ規制路線の総延長の3・2%にあたる。検討対象の7割強は、事故が多い▽通学路▽人家が多い▽歩道がない――などの理由で現状維持とした。
警察庁が今回、規制速度を引き上げた区間のうち1244区間について事故件数を調べたところ、7・1%減少していた。この期間の全国の事故件数の減少は年平均6・9%で、ほぼ同じだったという。
また、引き上げ後の実際の速度…