記者会見で話すトヨタの豊田章男社長=4日午後、東京都中央区、竹花徹朗撮影
トヨタ自動車の豊田章男社長とマツダの小飼雅道社長は4日、両社が資本提携で合意したことを受け、東京都内で記者会見を開いた。主なやりとりは次の通り。(以下、敬称略)
トヨタとマツダ、資本提携を発表 相互に500億円出資
――資本提携に踏み込んだ理由は何か。
豊田「自主独立性を尊重し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら持続性をもって協力関係を構築するためだ」
小飼「マツダブランドのDNAをもった商品を作り続け、社会に貢献するにはトヨタとの協業、切磋琢磨が何より必要だ。資本提携で中長期的、継続的な提携にもっていくことが必要と判断した」
――米国での新工場建設が提携の柱だが、意義やメリットは何か。
小飼「効率的に短時間でお客に車を届け、喜んでいただける。地域の方々に車を作っていただくことで、地域から支えていただける」
豊田「合弁の形をとることで、両社の強みを生かして、高効率で持続可能な工場運営により、競争的になることをめざしたい。年初の(トランプ)大統領の発言は全く関係ないが、新工場の検討で北米での最適な生産体制を再度見直した」
――電気自動車(EV)の開発や製造でどういうメリットがあるのか。
小飼「(EVは)現在は創生期。発展期を迎える技術だと思う。まだ将来の予測が難しい中で、今後の変動に柔軟に対応できる態勢をこの協業によってしっかり準備したい」
豊田「マツダの革新的な構想、開発ノウハウ、トヨタの知見を持ち寄りながら、混成チームを結成して開発していく。EV基盤技術を強化し、軽自動車から乗用車、SUV(スポーツ用多目的車)、小型トラックまで幅広い車を視野に技術開発を進めていきたい」
――海外でガソリン車やディーゼル車の発売を規制する流れがあるが、意識した取り組みなのか。
豊田「いままではガソリン車、ハイブリッド車をいかにたくさん作り、多くのお客に支持を得るかという競争だった。今後はAI(人工知能)、自動運転、各種環境車に備え、新興国中心に新しいライバル、IT企業との闘いだ。海図のなき、前例のない闘いが始まっていると思う」