厚生労働省は今年度、病気から回復する見込みがなくなった人生の最終段階にどんな治療を望むかについて意識調査を実施する。3日に開いた検討会で決めた。自身で判断できなくなった場合に備えて希望を文書にしているかや家族間で話し合っているかなどを聞く。自宅で穏やかな死を迎えたい人が多い一方、実現は簡単ではない現状を把握し、改善につなげていく。
同様の調査は1992年以降、おおむね5年ごとに厚労省が実施。医療技術の進歩で生命の維持は可能になったが、胃ろうなど管を通じた栄養補給が患者にとって苦痛になることもある。選択肢は多様化する一方、認知症などで本人の意思がわからず、家族が迷うケースも増えている。
前回2013年の調査では男女5千人に調査表を郵送、2179人が答えた。希望を書面に残すことに約7割は賛成していたが、このうち実際に作成しているのは約3%。家族で話し合っていたのは42%にとどまった。末期がんで痛みがなく、意識や判断力が健康な時と同じ想定では、7割強が自宅での療養を望んでいた。病気やけがが悪化した場合、57~78%の人は胃ろうなど管を介した栄養補給や人工呼吸器などを望まないと回答した。
検討会では、海外で広まる患者…