金額の異なる3通の工事請負契約書の写し。手前は最も金額が高く、国土交通省に提出された約23億円のもの
学校法人森友学園(大阪市)が開設を目指した小学校の建設に絡み、国の補助金5644万円をだまし取ったとして大阪地検特捜部が詐欺容疑で逮捕した前理事長、籠池泰典容疑者(64)と妻諄子(じゅんこ)容疑者(60)が、実態と違う調査設計費の計上で補助金を水増し請求する手法をとった疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。特捜部はこの行為に京都市の設計会社役員らも関与したとみて調べている。
「森友学園」籠池夫妻を逮捕 国の補助金詐取容疑
籠池容疑者に11.9億円の賠償請求 森友学園の管財人
特捜部などによると、両容疑者は木材建築の普及を目指す国土交通省の補助金を申請し、2015年9月4日付で国交省が採択した。補助の対象は原則、採択日以降に着手した調査設計や工事代金。しかし両容疑者は、採択日の半年前の15年3月ごろには始まっていた小学校の調査設計を採択日と同じ日に契約し、その後着手したように装い、虚偽の「建築設計・監理業務委託契約書」を作った。
また、本来の契約額は3200万円(税抜き)なのに、契約額1億4125万円(同)と偽って16年2月下旬に提出したという。
両容疑者らは建築工事の契約金額も、実際には約15億5千万円のところを「23億8464万円(税込み)」と水増しして申告。国交省が委託した一般財団法人から、補助金5644万円を学園名義の銀行口座に振り込ませた。この約23億円の契約書以外にも、約7億円と約15億円の契約書を15年12月3日付で作成していた。
特捜部は、小学校舎の設計にか…