林野庁が調査に入った奈良ケ谷川上流は、山腹がいたるところで崩れ落ちていた=19日午後、福岡県朝倉市、朝日新聞社ヘリから、森下東樹撮影
九州北部を襲った記録的豪雨から2週間。山の斜面崩壊による流木が大きな被害を引き起こしたことから、林野庁の調査班が19日、実態把握のための調査を始めた。福岡県朝倉市の山林に記者も許可を得て同行した。
特集:九州北部豪雨
■林野庁が対策チーム
高さ20メートルものスギやヒノキが辺り一面に倒れ、急斜面に重なり合っていた。赤茶けた土がむき出しとなった山肌。山腹が崩壊した近くを登ると、被害の大きさを改めて実感した。朝倉市の奈良ケ谷川、上流付近の国有林。その下流域では、豪雨でため池が決壊した。
調査班のメンバー4人は、雨でぬかるんだ土に足を取られながら林に分け入り、崩壊した斜面を調べた。記者は何度も尻餅を突き、服は泥だらけに。
調査班の一人で森林総合研究所九州支所の黒川潮さん(47)は「雨水が集まりやすい谷の地形部分が崩れていた。土壌に浸透しきれない水が地表を勢いよく流れ、土砂ごと木が流出したと考えられる」と語った。
今回の豪雨では、流出した大量の樹木と土砂が川をせき止めるなどし、被害を拡大させたとみられている。福岡県は県内の被災地の流木を少なくとも20万トンと推計する。
林野庁は流木災害への対策を検…