Jアラートの仕組み
Jアラートの発信先は北海道から長野県の12道県(計617市町村)に及んだ。機器の不具合などで、7道県の16市町村(午後2時現在)でうまく情報が伝わらなかった。
Jアラート、16市町村で作動せず 北海道や福島など
総務省消防庁によると、Jアラートは該当の全市町村で受信できたが、そこから住民に周知する段階で不具合が発生。機器の設定ミスが目立った。
また北海道では、道が自治体などに送るFAXに「訓練」と書かれた用紙を使うミスがあった。道はこの日の午後、予定通り、弾道ミサイルへの対応訓練を実施したが、高橋はるみ知事は「訓練と混同があったかもしれないが、言い訳はできない」と陳謝した。
避難の見直しを迫られた自治体も。長野県軽井沢町は今月1日、ミサイル発射に備え、群馬県安中市が管理するトンネルを避難所として使う覚書を交わしていた。今回はトンネルへの誘導はなく、藤巻進町長は「ミサイル発射から着弾まで5分、10分でどこまでできるのか課題はある。避難計画を洗い直したい」と話した。
Jアラートの情報は速やかに伝わったものの、実際にどう役立てればいいのか戸惑う人々もいた。
青森県庁近くで客待ちをしていたタクシー運転手の川越義美さん(67)は、県庁職員が次々と駆けつける様子を見て、「やばいのかな」。ただ地下への避難を求められても、「青森に地下なんてほとんどない。どこに逃げたらいいのか」。77歳の女性は「青森を狙っているとは思えないので避難しなかった。空襲を見ているので、たいていのことは驚きません」と話した。
3月に政府との住民避難訓練を行った秋田県男鹿市。自主防災会長の高野進さん(77)はミサイル発射を知ったが、自宅に待機した。訓練では徒歩5分ほどの公民館に避難したが、「それほど頑丈な建物というわけではない。もっと安心な小学校までは徒歩12分くらい。訓練が役立ったのかどうか、何とも言えない」と話した。