県公安委員会の指定する自動車教習所の卒業検定で不合格になったにもかかわらず、因縁をつけて合格証明書を交付させて免許を取得したとして、県警交通捜査課と厚木署は29日、自称会社役員の川瀬検司容疑者(54)=厚木市林3丁目=を虚偽有印公文書作成教唆・同行使と道交法違反(免許証不正取得)の疑いで逮捕したと発表した。「試験には落ちていない」と容疑を否認しているという。
交通捜査課によると、川瀬容疑者は昨年10月30日、厚木市の厚木中央自動車学校で大型自動二輪免許の卒業検定を受け、脱輪して不合格になったにもかかわらず、「滑っただけ。もう1回やらせろ」などと技能検定員(47)に主張。学校側に卒業証明書を交付させて免許証を不正に取得した疑いがある。
また県警は、不正に合格証明書を交付したとして、当時の検定員のほか、業務課長(51)、教務部長代理(58)の男3人を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検した。いずれも容疑を認めているという。
3人は川瀬容疑者について、教習所に入った当初から大声で騒ぐなど職員の負担が大きかったと説明。県警は川瀬容疑者から逃れるために合格させたとみている。厚木中央自動車学校の長谷川和彦管理者は「深く反省し、二度とこのようなことが無いよう職員への指導を徹底する」と話した。(古田寛也)