平岩俊司・南山大教授
北朝鮮が3日に行った6回目の核実験。北朝鮮の意図や狙いは何なのか、米国や中国はどう北朝鮮に向き合うのか、などについて日米中韓の専門家らに聞いた。
特集:北朝鮮の核実験
■平岩俊司(南山大教授 現代朝鮮論)
北朝鮮は米国の足元を見ているからこそ、6回目の核実験に踏み切った。北朝鮮にしてみれば、米政権が発しているメッセージはちぐはぐに見える。軍事力行使を辞さないと強調する高官がいると思えば、別の高官は軍事力は使えないと発言する。こうした状況下で米軍が軍事力を行使するのは難しいだろうと捉えて、立て続けに弾道ミサイル発射や核実験に及んだとみられる。
それでも北朝鮮は、トランプ米大統領がどう出るか読み切れていないのが実情だろう。ミサイル発射や核実験で技術開発を進めつつ、米国が軍事力行使に踏み切る「レッドライン(越えてはならない一線)」を探っている面もある。
北朝鮮は、自らの核保有を認めた上での平和協定への対話なら応じるという考えだ。非核化を求められるなら対話の意味は無い。そのためにも、米国本土に届く核ミサイルを持ったと、米国に認識させたい。9日の建国記念日まではまだ時間がある。今回の核実験で終わりとはならないのではないか。
今後注目されるのは、やはり中国やロシアの出方だ。日米などが提案を検討している石油禁輸措置などは、一般国民への影響や、金正恩(キムジョンウン)政権の暴発を恐れて同意しないだろう。中ロとも米国に譲歩を呼びかけてきた。北朝鮮の態度を改めさせるために、米国は圧力だけでなく、中国の仲介者としての役割に、より期待していく方向にならざるを得ないはずだ。(聞き手・西山明宏)
■ブラッド・グロッサーマン(米…