北朝鮮北東部・豊渓里にある核実験場の人工衛星画像(8月27日撮影、米韓研究所/エアバスDS提供、時事)
北朝鮮は3日、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に成功した」と発表した。韓国の専門家の間では、進む核爆弾の小型化に加え、2年以内には米本土に届く核弾頭ICBMが実戦配備されるとの見方も強い。急速な技術の進歩に、北朝鮮の軍事的脅威に対する懸念は高まっている。
特集:北朝鮮の核実験
日米韓は北朝鮮がプルトニウム型、ウラン型を含めすでに十数個の核爆弾を保有していると分析している。
北朝鮮の技術力では、核爆弾1個あたり4~6キロの兵器用プルトニウムが必要とされる。韓国国防省は北朝鮮が兵器用プルトニウムを五十数キロ保有していると推計。寧辺(ヨンビョン)の原子炉は現在も稼働しており、今後2年ほど稼働して使用済み燃料棒を処理した場合、さらに8キロ程度の兵器用プルトニウムを抽出できるとみられている。
また、ヘッカー米スタンフォード大教授によれば、北朝鮮は年間約80キロの高濃縮ウランを生産でき、年間3個程度の核兵器の製造も可能という。同氏は北朝鮮が2020年までにプルトニウム型、ウラン型を合わせ計50個の核爆弾を保有する可能性もあると指摘する。
核爆弾の小型化もある程度進んでいる模様だ。
日米韓は3日の実験前の段階で、北朝鮮が通常の原爆の4分の1程度の大きさにできるブースト型核分裂爆弾(強化原爆)の開発に成功した可能性があるとしていた。3カ国は、16年1月にあった4度目の核実験は強化原爆による実験だったと分析。北朝鮮がミサイルに搭載できる500~600キロ程度の小型化に成功したとの見方もある。
寧辺では、水爆や強化原爆に必…