東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査で、原子力規制委員会は6日の定例会で、福島第一原発事故を起こした東電に原発を運転する資格があるのかについて議論した。原発の安全に向き合う姿勢を「福島の方々に主体的に向き合い、廃炉をやり遂げる」などと記した東電の回答文書について、実効性を担保する方法を新たに検討することを決めた。
柏崎刈羽6、7号機の審査は、技術的な点については先月ほぼ終了している。残る焦点は、事故当事者の東電に原発を運転する資格があるのかという適格性の判断になっている。
規制委は7月、東電の新経営陣を呼び、「福島第一原発の廃炉に主体的に取り組む覚悟と実績のない事業者に柏崎刈羽を運転する資格はない」とする7項目の考え方を示して文書回答を要求。東電は8月、「地元に主体的に向き合い、廃炉をやり遂げる」などと回答し、小早川智明社長は回答文書が「国民に対する約束」だとした。
規制委は6日の定例会で、この回答文書について、法的な根拠と照らし合わせて実効性を担保していく必要があると判断。次回の定例会で引き続き議論するとした。また、各委員がこれまでの審査の経緯を報告。東電の技術力の高さについては異論は出なかった。(東山正宜)