安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭で衆院解散に踏み切る方向となり、自民、公明両党は連休明けの19日午前、それぞれ幹部会合を開き、選挙準備を加速することを確認した。
自民の二階俊博幹事長はこの日の役員連絡会で、前日に会談した安倍首相が「早期解散を検討しているが、時期は国連総会から帰国して決める」と語ったことを紹介。その後の記者会見で「自民党が全員当選できるような気概をもって臨んでいく」と強調した。憲法改正の党原案作成について「急ぐことより慎重にやることが大事」と述べた。
首相は、消費税を10%に引き上げた際の税収増を教育無償化などの財源に充てることを公約の柱とする方針。役員連絡会では岸田文雄政調会長が「選挙ならば、公約の作成に入らなければならない」と語った。
公明は緊急の常任役員会を開催。終了後、山口那津男代表は記者団に「常在戦場の心構えと言ってきた。その構えをどうするか、検討したい」と話した。
19日の閣議後会見では閣僚から発言が相次いだ。麻生太郎財務相は、消費増税分の使途見直しと財政健全化とのバランスについて「保たれるようにせないかん」と強調した。世耕弘成経済産業相は「雇用状況が良く、GDP(国内総生産)のプラスが続いている。経済政策をこのまま続けるのか問うて欲しい」と求めた。
首相が8月の内閣改造で「仕事人内閣」と強調していたことについて、まだ国会答弁がない梶山弘志地方創生相は「国会が開かれなければ仕事がないわけではない。目の前の仕事をこなしていく」と語った。
一方、民進党の山井和則国会対策委員長代行は19日、記者団に「加計・森友問題について『国民に丁寧な説明をする』と言いながら冒頭解散するのは、『うそつき解散』と言われても仕方がない」と批判した。