東京電力福島第一原発事故でゴルフ場が汚染され、損害を受けたとして、福島県南相馬市でゴルフ場を経営する鹿島総業(東京都)が、東京電力に約58億円の賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(水野有子裁判長)は11日、東電に約6億7千万円を支払うよう命じた。ゴルフ場の除染を求める訴えは却下した。
判決によると、同社は同市で鹿島カントリー倶楽部を経営していたが、原発事故で30キロ圏内にあるゴルフ場が緊急時避難準備区域に指定された。事故の約3カ月後に営業を再開したが、一部のコースしか使えず、利用客が減少した。
判決はコースの使用制限や売り上げ減少と事故との因果関係を認め、事故前の収益などをもとに同社の損害額を約6億7千万円と認定した。除染の要求は「除染の内容、方法が特定されておらず、不適法」と退けた。(山本亮介)