学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、東京大の醍醐聡・名誉教授らで作る市民団体が16日、佐川宣寿国税庁長官を証拠隠滅容疑で、学園側と土地売却交渉をした当時の財務省近畿財務局職員を背任容疑で、それぞれ東京地検に告発した。地検は受理するかを検討する。
土地売却を巡っては、学園の前理事長籠池泰典被告が財務局職員に値引きを求め、職員が「ゼロに近い金額まで、努力する作業をしている」と答える録音データが明らかになった。売却経緯を調べる大阪地検もこの録音データを入手している。
告発状は、録音データを「証拠資料として強い証明力を有する」と指摘。職員は地下のゴミ量が未確認なのに、土地を不当に安く売却して国に約8億円の損害を与えたとした。また、佐川氏は財務省理財局長だった今年3~4月、「価格について国からの提示や学園側の希望はなかった」などとうその国会答弁を続けたとして、「事件の証拠を闇に葬る証拠隠滅行為にあたる」と主張している。(根津弥)