智弁和歌山―履正社 三回表智弁和歌山1死満塁、冨田が左越え満塁本塁打を放つ=シティ信金スタ
高校野球の近畿大会は24日、大阪市此花区のシティ信金スタで開幕し、1回戦の第1試合で智弁和歌山(和歌山1位)が履正社(大阪2位)を12―8で下した。
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履正社の17安打に対し、智弁和歌山は14安打。だが、ここぞの迫力は智弁打線が上だった。履正社の遊撃・西山が言う。「守っていて重圧がすごかった。大阪桐蔭に似ていた」。三回、1点を追う智弁の攻撃がそれだった。
高嶋監督の指示はシンプルだった。「浮いた球を逃すな」。今夏の甲子園で先発出場した3番黒川と5番冨田には、それだけで十分。1死から3連打で同点とし、黒川がファーストストライクをとらえて左中間に勝ち越しの適時二塁打。死球で満塁となった後は冨田が初球の直球を左越え本塁打にした。「狙っていました。完璧です」と冨田。一挙6点を奪った。
伝統の強力打線は、新チームでも健在だ。この夏の甲子園で本塁打を放った林が、右ひじ痛でベンチを外れた。4番の主将文元はポジティブにとらえている。「逆に全員で戦えているし、クリーンアップは競争して成長している」。この日は中軸の3人で8安打5打点。林の不在を感じさせなかった。高嶋監督は「夏に甲子園で打っている子が多いからね」と手応え十分だった。
一方、履正社の岡田監督は渋い顔で振り返った。打線は8点を奪って追い上げを見せたが、「選抜は投手力がないとダメですね」。夏までは絶対的なエースだった竹田がいた。新チームには「エースがいない」と岡田監督。この日も3投手でつないだが、いずれも失点した。「誰かに柱になってほしい」と投手陣に成長を求めた。
前チームで甲子園を経験した実力校同士の対戦。新チームで「打線の成長」という上積みを作れた智弁和歌山が勝ち上がった。
第2試合は法隆寺国際(奈良3位)が比叡山(滋賀2位)を9―0の7回コールドで破り、第3試合は乙訓(京都1位)が神港学園(兵庫3位)を8―1で7回コールド勝ち。公立校の2校が準々決勝に進んだ。(小俣勇貴)