試合が終わり、整列へ向かう東大の宮台①
(24日、東京六大学野球秋季リーグ戦 明大6―3東大)
プロ注目の左腕、東大の宮台康平(4年、湘南)の東京六大学リーグでの4年間が終わった。24日の明大2回戦は4番手で六回から登板。いきなり3長短打で2点を失ったが、最後は気迫のこもった投球で意地を見せた。
前日の1回戦で8回133球を投げた疲れからか、普段は140キロを超える直球も、130キロ台後半が目立つ。八回は2死一、二塁とピンチを広げたが、4番逢沢峻介(3年、関西)を142キロの内角直球で見逃し三振に抑えた。
最後のマウンドとなった九回。変化球で2者連続三振に取ると、ギアを上げた。最後の打者には144キロの直球を3連投。4球目のスライダーを引っかけさせ、投ゴロに仕留めた。その裏の攻撃はベンチから声を出し続けたが、反撃は2点どまり。明大に連敗し、シーズンが終了した。
宮台は1年秋にリーグ戦デビュー。2年秋に初勝利、3年春の立大1回戦で初完封。その夏、東大からは2人目となる日米大学野球の日本代表にも選ばれた。3年秋は左肩を痛め、1試合の登板に終わった。
今春復帰し、今季は慶大戦で完投勝ちするなど2勝。チームも法大戦で連勝し、15年ぶりの勝ち点1を挙げた。左腕は「六大学に入ってきて、自分がここまで成長できるとは思っていなかった。頑張ったなと思うし、だからこそもっと勝ちたかった」と4年間を振り返った。
10月5日には、プロ志望届を提出。出す直前まで悩んだが「上で挑戦したい。自分の力を試したい」という気持ちが上回った。一方で「名前を呼ばれるまでわからない」と、ドラフトで指名されるか不安な気持ちもあるという。
東大史上6人目のプロ野球選手誕生なるか。運命のドラフト会議は2日後。「大学生活で真っすぐを頑張って磨いてきた。原点に立ち返って、自分のいいボールを投げるのが大事」と次の舞台へ夢を膨らませた。(大坂尚子)