試合前、栃木ブレックスのタオルを掲げて声援を送る地元ファン=遠藤啓生撮影
Bリーグ2季目のシーズンが開幕した。昨季のB1は、総入場者数が統合前の2リーグ合計の1・5倍となり、開幕シーズンとしてはまずまずのスタートを切った。勝負の2季目、さらに飛躍できるのだろうか。
「とびきりいいわけでも悪いわけでもなく、無難なスタートかな」。大河正明チェアマンは第1節を終えた後、各クラブの観客動員を冷静に分析した。
約9千人が見守る中、東京・代々木競技場の床に敷き詰めたLEDビジョンに映し出したコートで派手に行われた昨季の開幕戦とは異なり、今季は各クラブの本拠アリーナで同時に開幕。それでも序盤の観客動員は昨季とほぼ同水準を堅持している。特に直近行われた第4節の観客数の平均は、今季が昨季より200人ほど多かった。
なかでも初代王者で、昨季は1試合平均観客数でも2位だった栃木の集客は今季も好調だ。昨季のチャンピオンシップ準決勝を再現した開幕カード、栃木―三河は、2日目の土曜に4111人を動員し、過去最多を記録。続く第3節の千葉戦でさらに80人更新した。B2から昇格した島根と西宮は、本拠開幕戦でともに昨季平均の2倍以上の観客数を記録した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは14年目となる今年9月の「スポーツマーケティング基礎調査」で、初めてBリーグのチームを応援しているファン人口を調べ、推計559万人と算出した。プロ野球ファンの2845万人、Jリーグファンの1089万人には遠く及ばないが、Vリーグの517万人は既に超えている。調査の担当者は「想定以上に多かったなという印象」と話す。
これから直面する課題は、冬場の「中だるみ」だ。昨季は10月後半から1月にかけての観客数の落ち込みが顕著だった。最初の試金石となるのが、B1、B2全クラブが一斉に試合を行う25日の夜。今季4回ある水曜夜の一斉開催の一つだ。リーグは将来的に、シーズンを通じた平日の開催を目指している。
大河チェアマンは「プロ野球が平日夜でもあれだけ集めていることを考えれば、高い目標にチャレンジしないと。『休日にわざわざ行かないけど、平日に誘われたら行く』という客層はいるはず。特に都会のチームにがんばってほしい」と発破をかける。(伊木緑)