政府は25日、国の制度融資で不正を繰り返した商工組合中央金庫(商工中金)に対し、2度目の業務改善命令を出した。役職員の責任の明確化や抜本的な再発防止策をつくることに加え、民業を補完する形での「持続可能なビジネスモデル」を実行することや、外部人材を登用して経営管理の仕組みをつくり直すことを求めた。商工中金の安達健祐社長(元経済産業事務次官)は記者会見で「極めて重い責任がある。適切な時期に社長職を退く」と辞任を表明した。
商工中金社長ら3人辞任へ 不正、制度融資以外にも拡大
商工中金を所管する経済産業省は、世耕弘成経産相や経産事務次官、中小企業庁長官の給与の自主返納も決めた。世耕経産相は給与の2カ月分、経産次官と中小企業庁長官は厳重注意としたうえで給与の1割を2カ月分自主返納する。
商工中金はこの日、制度融資「危機対応業務」での不正の全容調査結果を中小企業庁に報告。不正は全100営業店のうち97店で計4609件あり、不正融資額は2646億円にのぼることが明らかになった。関与した職員は444人。