インターネットを介して仕事を請け負う「クラウドソーシング」やフリーランスなど個人事業主らの働き方について、厚生労働省が実態調査に乗り出す。「柔軟な働き方」などと注目されているが、雇用者でないため最低賃金が適用されないなど、労働者保護の仕組みから外れている。当事者からのヒアリングなどを通じて課題をあぶり出し、法整備の必要性を検討する。
個人事業主は開業医や飲食店のオーナーのような人もいれば、工事現場で働く「一人親方」やフリーの編集者など、特定の企業と雇用関係を結んでいないが、従業員のように働いている人もいる。最近はIT化が進み、ネットを介してアプリの開発や飲食店の宅配を請け負う人も増えている。
こうした働き方が広がる一方で、社会保険に加入できなかったり、不当に低い報酬で仕事を請け負ったりするといった問題も表面化しているため、厚労省はこうした働き方に関する有識者研究会を立ち上げ、24日に初会合を開いた。委員からは「保護の仕組みが追いついていない」「仕事が不安定になりがちだ」などの意見が出た。
研究会は今後、当事者からヒアリングをするなどして実態を把握し、年度内に課題をまとめた報告書をつくる。厚労省はこれをもとに議論を進め、法整備の必要性について検討する方針だ。(米谷陽一)