米イージス駆逐艦による重大事故が2件続いたことを受け米海軍が1日公開した調査報告で、乗組員の初歩的ミスが重なっていたことが分かった。任務増大による訓練時間の不足が指摘されており、海軍は2日にも検証報告を公表する。
米イージス艦事故「回避可能だった」 調査報告書を公表
事故を起こしたイージス艦は2隻とも米海軍横須賀基地(神奈川県)に拠点を置く第7艦隊に所属。北朝鮮情勢や南シナ海の軍事拠点化を進める中国への対応で任務が増大している。政府機関を監視する米政府監査院(GAO)は、今年6月時点で日本を拠点にする米艦の乗組員の37%が必要な訓練を怠っていると指摘している。
一連の事故は、乗組員らの訓練不足を露呈させた。
イージス駆逐艦フィッツジェラルドが6月に伊豆半島沖でコンテナ船と衝突し、乗組員7人が死亡。8月には同型のジョン・S・マケインがシンガポール沖でタンカーと衝突し乗組員10人が死亡した。共に当直態勢の時間帯だった。
報告書は伊豆半島沖の事故について乗組員の訓練不足に加え、上官の判断ミスを指摘した。乗組員がレーダーの扱い方を知らず、コンテナ船などの位置の把握に失敗。衝突30分前には、3隻の船舶と交差する可能性があったが、司令官には伝えられず、危険を回避する措置がとられなかった。さらに衝突10分前にコンテナ船が目視で確認されたが、上官はコンテナ船が通り過ぎると誤解し、減速や針路変更を命じなかったとした。衝突3分前に回避のための命令を出したが間に合わなかった。
シンガポール沖の事故では、当…