栃木県那須町で今年3月、登山講習中の高校生7人と教諭1人の計8人が死亡した雪崩事故で、県教委が設置した検証委員会は15日、講習会を主催した県高校体育連盟の「計画全体のマネジメントと危機管理意識の欠如」が最大の要因とする最終報告書を公表した。死亡した生徒を引率した教諭について、雪崩の危険への予見可能性があったと考えられると指摘した。
栃木・那須の雪崩事故
最終報告書は、講習会が長年続いていた行事だったことから慣れがあり、事前の安全確保の検討が不十分だったと指摘。2010年3月の講習会でも生徒が埋もれる雪崩が起きたのに、県教委などへの報告はなかったと批判した。県教委のチェック態勢の未整備や、雪崩に対する講師の理解不足も要因として否定できないとも言及した。
また、死亡した生徒の引率教諭に対し、雪山経験があり、新雪がある尾根斜面を生徒の隊列が進めば雪崩の危険があることを認識し得たはずだと指摘。「この点については予見可能性があったと考えられる」と述べた。
犠牲となった奥公輝(まさき)さん(当時16)の父親勝さん(46)は会見で「喪失感が癒えることはない。息子が生きた証しとして(県教委には)再発防止策を作ってもらい、息子たちに報告できるようにしてほしい」と話した。