ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」(旧・記憶遺産)で旧日本軍の慰安婦の証言などが登録保留となったことを巡り、韓国の鄭鉉栢(チョンヒョンベク)女性家族相は6日の国会答弁で「非常に遺憾に思う」と語った。「今後、文化財庁、外交省、民間団体と共に、慰安婦の記録が堂々と評価を受けられるようにしていく」とも述べた。
日中韓などの市民団体と日米の民間団体などが異なる立場から資料を申請。ユネスコはともに「登録保留」とし、互いの対話を促した。鄭氏は、日本側に反対の動きがあれば、登録が難しくなるとの認識も示した。鄭氏は17日、登録を推進した市民団体が主催してソウルで開く会議に参加し、今後の対応策について話し合うという。
また、鄭氏は来年夏、慰安婦の記録をまとめた書籍を日本語、英語、仏語、中国語で発行する考えを示した。日韓慰安婦合意で日本が支払った10億円について、韓国の「和解・癒やし財団」の人件費や事務所費用に使われているのは適当ではないとの考えも表明。合意の締結や履行の過程で問題がなかったか調べているとした。(ソウル=牧野愛博)