大学入試センター試験の風景=今年1月14日
大学入試センター試験の後継として2020年度に始まる「大学入学共通テスト」の英語について国立大学協会は10日、当初の4年間はセンターが作成するマークシート方式の試験と、英検やGTECといった民間検定試験の双方を、一般入試の全受験生に課すことを決めた。広島市で開かれた総会で方針が示され、了承された。
文部科学省が7月に公表した共通テストの実施方針で、英語は「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書く」を含めた4技能を評価するため、民間試験を活用することにした。ただ、大幅な制度変更となるため、23年度まではマークシート試験も残し、各大学が自由に選択できるようにした。国立大が一致して双方を課す方針を決めたことで、私立大や公立大にも影響がありそうだ。
民間試験の活用方法については、一定の水準に達することを2次試験の出願資格とする案や、マークシート試験の得点に加算する案などが検討されており、国大協は今年度中にガイドラインを決める予定。総会では「民間試験の検証は早めに進めるべきだ」「透明性や公平性の観点で学会などの意見も聞いてほしい」といった声が出た。記述式試験については共通テストだけでなく、2次試験でも論理的思考力、判断力、表現力を評価する高度な記述式試験を全受験生に課すことも決めた。
国大協会長の山極寿一・京大総長は総会後の会見で「国立大が両方使う方針を出したことは非常に大きなメッセージになる。全大学が一致して改革に向かわなければ意味がない。私立大も適切な反応をしてほしい」と述べた。(片山健志)