「さようなら、ニック」
東京国際映画祭が25日~11月3日、東京・六本木ヒルズを中心に開かれる。第30回の節目を迎えた今年は「アートとエンタテインメントの調和」をテーマに、各国の新作が最高賞「東京グランプリ」を競うコンペティションを始め、アジアの新鋭監督による作品を集めた「アジアの未来」、日本映画の今を概観する「Japan Now」など、各部門の一層の充実を図る。
同映画祭は1985年に始まり、第1回の開幕上映は黒澤明監督「乱」のワールドプレミア(世界初上映)だった。過去のグランプリからは、後に米アカデミー賞を得たアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥや、ミシェル・アザナビシウスらが輩出している。
映画祭トップのフェスティバル・ディレクターには、松竹とワーナー・ブラザースという邦洋の大手映画会社で幹部を歴任した久松猛朗(たけお)氏が就任。「映画は芸術である一方で、製作費が掛かるために商業的な側面を持たざるを得ない。歴史に残る名画の多くは二つのバランスが良い。私たちはそこを目指そうと思っています」と話す。
コンペはここ数年、参加作品の…