ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーから資金提供を受けていたスウェーデン文化界の重鎮の男性に、レイプ・暴行疑惑が浮上している。アカデミー側は男性との関係を断ち切ると表明したが、より詳しい説明を求める声が上がり、12月10日のノーベル賞授賞式を前に逆風にさらされている。
スウェーデンの大手紙が21日、男性からレイプされたり暴行されたりしたと主張する女性18人の訴えを掲載して発覚。問題の行為は1996年から今年までにあったというが、同紙の取材に男性は否定した。
AFP通信などによると、男性の氏名はスウェーデンの無罪推定に関する法律により報じられていないが、同国の文化界に幅広い人脈を持つ重要人物という。男性が運営するカルチャーセンターは、過去にノーベル文学賞受賞者らが参加する読書会や講演会を開いており、「アカデミーのリビングルーム」と呼ばれているという。
アカデミーはこれまで、男性が運営するセンターに資金を提供したり、アカデミーがパリの高級住宅地区に所有するアパートの管理を男性に任せたりしてきた。報道を受けて23日に緊急会議を開き、今後は「一切の関係を断ち切る」と発表。ノーベル文学賞などアカデミーが関わる賞の選考にも、男性が影響を及ぼしていなかったかを調査すると表明した。また、アカデミーは12月10日の授賞式後に開かれる晩餐(ばんさん)会の出席者リストから、男性を削除したという。
男性は2015年、各分野で功…