香取慎吾さん=遠藤啓生撮影
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2020年東京パラリンピックに新しい追い風が吹く――。開幕1000日前を控えた28日、元SMAPの香取慎吾さん(40)が朝日新聞パラリンピックスペシャルナビゲーターに就任。「香取慎吾というフィルターを通してパラスポーツのことを伝えていきたい」と香取さん。2020年東京大会や、その先へ、さまざまな取り組みを続けていきます。
◆新しい道、一緒に進みたい 香取さん「パラ応援宣言」
僕はいま、新たな道を歩み始めている。
SMAPのメンバーとして30年やってきた。ただ、これまでの活動をそのまま続けようとするのではなく、ゼロになろうと決めた。覚悟を決めたからこそ、こうして新たな一歩を踏み出すことができた。
不安がないわけではないけれど、どうしようかと空を仰いでいたら、「頑張れ」と背中を押してくれる人がいた。下を向いていたら「ゼロになったんだろう。突っ走れ」と、首根っこをつかんで引っ張り上げてくれる人もいた。
乗りに乗っている時は、人の支えがあって自分がいることに気づきにくい。でも、今ははっきりと見える。予想をはるかに超える、支えてくれるひとたちの手が。今度は、僕がひとの生きる力になる番です。
香取慎吾さん=遠藤啓生撮影
パラスポーツに興味はあるけれど、奥深く知っているかというと、そうではありません。2年前、パラスポーツの競技団体を支えるパラリンピックサポートセンターの設立に合わせて、エントランスに壁画(縦2・6メートル、横6・1メートル)を描かせてもらいました。
その作業中に、色々なことに気づかされた。パラスポーツには色んな競技があること。五輪の競技と比べて情報が少なく、試合会場に行く人も少ないこと。運営面では人手が足りないことも教わった。同じスポーツなのに、健常者の団体と比べて環境が整っていないことに驚き、サポートの必要性を感じました。
できることは限られているかも知れない。それでも、応援する人々の声は増やせそうな気がする。僕はお芝居やテレビに出演したり、歌も歌ったりするけれど、どれも自分たちだけでやるものじゃない。それを見て感動してくれたり、刺激を受けてくれたりする人がいるから意味がある。
パラアスリートたちも、ただ1等賞をとれたらいいのではなく、懸命な姿に自分を投影する人、影響を受けて応援しようという人がいるからこそ、頑張れる。その期待に応えるために自分が磨かれる。それが競技全体のレベルアップにもつながってくると思うのです。
これから、パラスポーツを見て、学んで、向き合っていきます。そして、香取慎吾というフィルターを通してパラスポーツのことを伝えていきたい。知らないことを知っていく過程もみんなに見て欲しい。
2020年東京大会まで1千日。それに向かって熱い思いを抱く選手、スタッフに寄り添っていきたい。いつか子どもたちの会話に、パラアスリートが登場するようになればうれしいなあ。そんな「熱」をみんなで共有できるように、僕は、新しい地図を携えて、一歩一歩、前に進んで行きます。
2017年11月28日 香取慎吾
香取慎吾さん=遠藤啓生撮影
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かとり・しんご 1977年1月31日生まれ。神奈川県出身。88年にSMAP結成。ドラマや映画、CMなどに多数出演。絵画など創作活動にも意欲的に打ち込む。今月15日、日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーターに、元SMAPの稲垣吾郎さん、草彅剛さんとともに就任した。
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◆香取慎吾さん、朝日新聞パラリンピック・スペシャルナビゲーターに 香取慎吾さんと朝日新聞社は、日本財団パラリンピックサポートセンターと連携し、開幕まで29日であと1000日となる2020年東京大会や、パラスポーツの普及・発展のために、さまざまな取り組みを続けていきます。