



サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で開幕戦や決勝など7試合が行われるモスクワ・ルジニキ競技場が本番に向けた改修を終えた。11月11日には親善試合ロシア―アルゼンチン戦が行われ、テストが始まっている。
ルジニキ競技場は1956年に開業し、80年モスクワ五輪の主会場などに使われてきた。2008年には欧州チャンピオンズリーグ決勝、13年には陸上の世界選手権が開かれた。もともとは陸上トラックのある競技場だったが、W杯開催を機にトラックは取り外され、サッカー専用競技場に生まれ変わった。改修費は240億ルーブル(約460億円)だった。
以前は寒冷地のため人工芝が使われていたが、人工の光を当てたり温めたりして天然芝を維持することになった。収容人数は約8万人。大会後は、ロシア代表戦やロシアカップの決勝などサッカーの試合が行われるほか、コンサートなどにも使われる予定だ。
11月の試合では試合後の観客の誘導で混雑し、問題があったという。来年3月の親善試合ロシア―ブラジル戦など2試合を行い、本番に備える。モスクワ市の責任者は「設備は100%完成している。これからセキュリティーなど運用面の準備をしていく」と語った。
来年6月14日に開幕するW杯ロシア大会は、11都市12会場(モスクワに2会場)で行われる。ロシア副首相で大会組織委のムトコ会長によると、12会場のうち5会場が国際サッカー連盟(FIFA)に承認されており、残る会場も来年4月までには承認される予定だ。(モスクワ=河野正樹)