国有地売却までの経緯
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、財務省は6日、同省近畿財務局と学園が昨年3月下旬、「約1億3200万~1億6千万円の範囲内なら双方が折り合える」と確認していたことを明らかにした。土地は3カ月後に1億3400万円で売却された。同省はこれまで鑑定価格が出る前の価格交渉について否定していた。
6日の衆院国土交通委員会で、立憲民主党の森山浩行氏の質問に答えた。
森山氏はNHKが8月に報じたとして、「昨年3月24日に財務局と学園の間で協議が行われ、およそ1億3200万円から1億6千万円の範囲内なら双方が折り合えることを確認したのは事実か」と質問。財務省の富山一成・理財局次長が「事実です」と認めた。
財務局と学園側とのやり取りは、朝日新聞も8月に報道。学園関係者への取材によると昨年3月下旬、当時代理人だった弁護士を通して学園が財務局と協議した際、「いくらまでだったら買えるのか」と財務局から尋ねられた。
この土地では一昨年に汚染土の撤去工事をし、国が1億3200万円を支払っていた。財務局側はこの費用に触れ、「(売却額は)それより安くならない」とも説明した。学園側は「払えるのは1億6千万円まで」と返答したという。
学園は3月11日に地中で「新たなごみ」が見つかったと財務局に報告。学園の籠池泰典・前理事長が3月15日に財務省本省の担当室長に面会し、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の名を出しながらごみへの対応を求めていた。財務省が今回認めたやりとりがあった3月24日は、学園側が土地の購入を申し入れた日にあたる。
不動産鑑定士が更地価格を9億5600万円と査定したのはその2カ月後の昨年5月末。国は昨年6月、鑑定価格からごみ撤去費8億2千万円などを差し引いた1億3400万円で学園に売却した。
売買価格は、鑑定評価が出てか…