国土交通省は19日、日立製作所など3社が設置したエレベーター約1万2千台の安全装置が、建築基準法に基づく国交相認定に適合せず、違法状態だったと発表した。ただ、第三者機関が安全性を確認したところ、問題はなかったという。日立は「社内の連絡ミスが原因。性能データ改ざんの意図はない」としている。 ほかの2社は、日立の子会社の日立ビルシステムと関連会社のサイタ工業。2012~16年に認定を受け、全国のマンションや病院、オフィス、商業ビルなどに設置していた。 問題があったのは、シンドラー製のエレベーターの死亡事故をきっかけに09年から義務化された「戸開走行保護装置」。故障などで扉が閉まる前に利用者の乗る箱が動いた場合に自動的に止めるものだ。 建築基準法では、エレベーターのメーカーは、国交省の求める性能を満たした仕様を事前に届け出て認定を受けなければいけない。今回、箱が動く速さを感知する性能や、部品の大きさなどが、認定を受けた仕様と違っていた。それでも性能は満たしているので、安全性に問題はないという。 日立によると、設計・開発部門が保護装置の仕様の変更を国交省に届け出たが、製造する水戸事業所(茨城県)に正確に伝わらず、装置の部品や性能を、以前に認定を受けた変更前の仕様でつくり続けていたり、別の仕様に変えたりしていたという。 日立が8月下旬、新製品の開発試験中に気づいた。国交省には11月上旬に報告した。日立は納入先が希望すれば、改修に応じるとしている。 相談窓口の電話番号は、日立と日立ビルが0120・808・981、サイタ工業が03・3576・0002。いずれも受け付けは平日午前9時~午後5時。(内藤尚志、石山英明) |
日立などのエレベーター1万2千台、安全装置が不適合
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