大学グルメ・中央大学
【写真特集】中央大の白門祭、ミスコンの様子は
学生時代の記者(37)は、通っていた大学付近に学生街が広がっていたので、朝食も昼食も、バイトがなければ夕食も、そこで安くてカロリーの高い定食を食べていました。先日、中央大学多摩キャンパス(東京都八王子市)に学園祭の取材で初めて行きました。見渡す限りの紅葉に囲まれた自然がうらやましい半面、キャンパスの建物以外に何もなくて「学生たちはご飯をどうしているんだろう?」と気になりました。調べてみると、1日8500人が利用するという学食の充実ぶりが見えてきました。
学外に出ると帰ってこられない
都心から電車で計1時間半。最後はモノレールに乗り、たどり着いた中大多摩キャンは、中央大学・明星大学駅と直結。徒歩0分でキャンパスに入れます。駅周辺は丘陵と幹線道路だけで、正直、コンビニすら見当たらない印象です。大学を案内してくれた荒井俊哉さん(20)=法学部2年=は、「中大生のご飯は基本は学食です。モノレールに乗って数駅先の多摩センター駅か高幡不動駅まで出ないとお店がないですから。授業の合間では外出は無理です。お昼休み中でも帰ってこられません」と教えてくれました。
キャンパス中央には「ヒルトップ’78」という4階建ての建物があり、計10店舗の食堂が入っています。1階には男子向けのボリューム満点の定食を出す学食とハンバーガーショップ。テラスもあって見晴らしの良い2階は、女子向けのカフェテリアとパン屋さん。3階はラーメンやどんぶりを出すフードコート。4階はおすしやうどん、トンカツといった和食店……。それぞれの店舗が趣向を凝らし、学生を飽きさせない工夫を感じます。総席数は約3500席。それでも昼休みは満席になるそうです。
ミス中央も学食大好き
「週5で利用しています。ていうか、大学にいる日で学食に行かない日はないですね」
中大生でいま最もキラキラしていると推測される女子、2017年のミス中央大に輝いた鈴木康代さん(20)=商学部2年=は笑います。ミス中央のランチにお邪魔してみました。
鈴木さんがこの日選んだのは2階カフェテリア。タレマヨチキンカツ、肉じゃが、揚げ出し豆腐、サラダ、ライス(ちょこ盛り)、みそ汁で計700円。なかなかのボリュームです。「いつもは500円以内ですね。ミスコンの前は食事制限していたので、きょうは思いっきり食べます。タレマヨチキンカツも解禁」と笑顔に。
宮城県出身の鈴木さんは、一人暮らしなので学食のヘビーユーザーです。気に入っている点は、「メニューが豊富で飽きないところ。ドレッシングの種類が九つあるなど、細かいところまで行き届いているのも好きです」。
友だちに会える場所
ランチ後、お気に入りだという2階のパン屋さん「フラット」を案内してくれました。焼きたてのチーズフォカッチャとチョコスコーン、チョコタルト、コーヒーで計610円。「フラットのパンは持ち帰ることができるので、朝食や時間がなくて学部棟で食べるときに買います」。タルトなど女子が好みそうなパンも多く、焼きたてが次々と運ばれてくる本格的なパン屋さんでした。
話を聞いている最中、「おーい」と鈴木さんに話しかけてくる学生がたくさんいます。鈴木さんは笑顔で手を振り返しながら、「こうやって学食に行くと必ず誰かしら友だちに会います。そこも学食のいいところです」と話します。受験では都心の大学も検討したけれども騒々しさが苦手で、中大の落ち着いた雰囲気と、家賃が安いなど一人暮らしのしやすさが気に入ったそうです。
「ミス中央になっても、何か変わったことは特にないです。たまに大教室で『あ、ミスの子だ』って話しかけられるくらいかな。そういう飾らない大学の雰囲気も大好きですね」とキャンパスの魅力を説明してくれました。
ほぼ全員が学食を利用
学食を運営する中大生協の京極陽介さん(30)によると、学食利用者は1日約8500人。多摩キャンパス在学生が約2万人で、全員が毎日大学に来るわけではないので、1日1万人弱が食事が必要な時間に大学にいると仮定すると、ほとんど全員が利用しているという計算になります。地域住民の方の利用も見られるそうです。
中央大が多摩キャンパスに移転して約40年。京極さんは「これからも愛される学食として工夫をしていきます」と抱負を話してくれました。(佐々木洋輔)