ジュニア女子フリーで演技する紀平梨花=細川卓撮影
(9日、フィギュアスケート・ジュニアGPファイナル 女子フリー)
紀平「真央さんまだ遠い」 初の大技、取材陣もどよめく
2018平昌五輪 トップ
フィギュア特集 Kiss and Cry
「試合で勝つ」という点においては、トリプルアクセル(3回転半)は“費用対効果”が低い技ともいえる。難しい割に点が低い。トリプルアクセルの現在の基礎点は8・5点に対し、女子のトップクラスの選手がよく跳ぶ3回転ルッツ―3回転トーループの連続ジャンプは10・3点。紀平はこの日2本目のトリプルアクセルが1回転になったことなども響き、フリーは6選手中4位の125・63点に終わった。
トリプルアクセルは、女子選手にとって最難関かつ憧れのジャンプの一つだ。男子でも、苦手とするトップ選手がいる。このジャンプを代名詞に、2010年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した浅田真央さんは今年4月の引退会見で「なんでもっと簡単に跳ばせてくれないの、という感じです」と笑顔で言った。
なぜ難しいか。アクセルは6種類あるジャンプの中で唯一、前向きに踏み切る。女子選手で初めてトリプルアクセルを成功させ、1992年アルベールビル五輪で銀メダルを獲得した伊藤みどりさんは「フェンスに向かって跳ぶ恐怖心がある」と語ったことがある。
回転数が多いジャンプを跳ぶに…