2戦連続の3位となり、表彰台で遠くを見つめる高梨沙羅(右)
(17日、スキージャンプ女子・W杯個人第4戦)
高梨、3位で表彰台 最多54勝はお預け ジャンプW杯
1回目で伸び悩み、ライバルに大差をつけられる。今季の開幕から3戦続いてきた展開で、高梨沙羅は4戦目も勝てなかった。
「少し力んで、前方向に飛び出すような感じになってしまった」。高さが出ない飛行曲線になり、98メートルで1回目は4位と出遅れ。同1位のマーレン・ルンビ(ノルウェー)は105メートルだった。その差13・8点。距離に換算すれば6・9メートル差をつけられ、通算54勝目は遠のいた。
前日までの予選、団体戦の計3本は全て100メートル越えだっただけに、明らかなミスだった。「自信の持てるだけ練習ができていない」。その不安が、思い切りの欠けるジャンプになっているという。
飛ぶ回数を重ねることで自分の形を作ってきたという高梨だが、関係者によると、今季はここまで想定より飛べていない。W杯開幕前のフィンランド合宿は、悪天候に悩まされた。第3戦からの2週間も、欧州に残ったが飛べたのは8本。その時も雨にたたられた。
2回目のジャンプは、踏み切りで力を伝えられなかった1回目の課題は「克服できた」と高梨。不利な追い風で100メートル。3位に滑り込んだ。
来年1月6日の次戦に備え、年末は札幌でジャンプ練習に集中する予定。「焦っては空回りしてしまう。焦らず、慌てず、諦めず。やるべきことに集中したい」。自分に言い聞かせるように言った。(勝見壮史)