検索サイト詐欺の構図
検索サイトを利用してインターネットショッピングをする人を狙い、「詐欺サイト」に誘導する新手の詐欺が増えている。警察庁によると、全国の警察が21日までに、詐欺に悪用された口座を売買したなどとして43人を摘発。捜査で確認された入金状況から、被害は6月までの約半年間で約2億4千万円に上るとみられ、全容解明を進めている。
警察庁によると、利用者が検索サイトで商品の種類や「激安」など、特定のキーワードで検索すると、検索上位に関連商品を扱う正規サイトを装ったURLが表示される仕組み。それをクリックすると、詐欺サイトに転送。サイト内で商品購入のために入金しても商品が届かず、現金をだまし取られる被害が相次いでいる。
正規サイトを装ったURLは実在する無関係のサイトのものが悪用され、検索サイト経由でクリックすると詐欺サイトに自動転送されるプログラムが犯人側によって組み込まれているという。
栃木県警が11月に摘発した事件では、東京都内の40代の女性が検索サイト経由で表示されたサイトで高級ブランドのロゴ入り携帯電話ケースを買おうとし、1万2500円をだまし取られた。振込先として悪用された口座を提供したとして、40歳の男が組織犯罪処罰法違反容疑などで逮捕されている。
こうした詐欺サイトは昨年末ごろから目立ち始めた。警察と連携する「日本サイバー犯罪対策センター」(JC3)は今月までの半年間で詐欺サイト約2万件を把握。国際機関に情報を提供し、この詐欺サイトにアクセスすると警告が表示されるよう対策を取っている。警察庁は対策として、基本ソフト(OS)やウイルス対策ソフトを最新の状態にすることをあげる。クレジットカード払いと口座振り込みが可能と表示していながら実際は振り込みのみだったり、サイト管理者の連絡先を表記していなかったりした場合は注意が必要という。(浦野直樹)