ライトアップされたパレスチナ自治区ベツレヘムの聖誕教会前広場=24日、渡辺丘撮影
キリストの生誕地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖カテリナ教会で、24日深夜から恒例のクリスマスミサが行われた。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことへの抗議行動が激化し緊張が高まる中、キリスト教徒とともにイスラム教徒らも平和を祈った。
隣接する世界遺産の聖誕教会前の広場にはクリスマスツリーが設けられたが、その一角には「エルサレムはパレスチナの永遠の首都」と書かれた横断幕が掲げられていた。今月6日のトランプ氏の宣言以降、抗議行動はベツレヘムを含むパレスチナ各地に拡大し、イスラエル治安当局との衝突でパレスチナ人10人以上が死亡、数千人が負傷した。
クリスマスシーズンは例年、世界中から客が集まるが、今年はキャンセルが相次いだ。ジョージ・ジュハさん(57)が営む中心部のレストランは客足が昨年比で半減した。2000年代前半の第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)以来、最悪の水準という。「トランプ氏はパレスチナ人だけでなく、国際社会も敵に回した」と憤る。
高校生の娘と訪れた地元の公務員マアウヤ・アワードさん(52)は「人出はめっきり減り、例年の楽しい雰囲気は少ない。中東平和の実現を祈りたい」と話した。(ベツレヘム=渡辺丘)