6月にあった全日本大学駅伝関東地区選考会で、力走する神奈川大の鈴木健吾③と山藤篤司(左)
1月2、3日に行われる第94回箱根駅伝で、青学大、東海大と並ぶ3強の一角と目される神奈川大は今季、11月の全日本大学駅伝を20年ぶりに制した。箱根で見据えるのは第73、74回大会を連覇して以来の20年ぶりの優勝だ。
1989年から指導する大後栄治監督は、「30年弱やってきて、初めて真の意味でのエースを育成できた」と感慨深げに語る。2区を走る鈴木健吾(4年)だ。全日本では最終8区でトップの東海大と17秒差の2位でたすきを受け、3キロすぎには逆転した。
箱根では前回も2区を走って1時間7分17秒で区間賞を取った。「でも最後に落ちた。そこでもう一度ギアを上げられれば、6分台は狙える」と話す163センチの大エースに死角はない。
その鈴木にたすきをつなぐ1区の山藤篤司(3年)が二枚看板のもう一人だ。自分から飛び出すタイプではないが、「ミスなくついていき、ラストで仕掛けたい。鈴木さんが待っているから安心感がある」。同じ2人で1、2区を走った前回大会は、2区を終えた時点で青学大に38秒差をつけるトップだった。
復路を含めた選手層の厚さでは青学大や東海大にやや劣る。大後監督は今年1月にチームを立ち上げた時、「箱根の往路優勝は私に任せろ。その先まで行けるかどうかはお前たちの力次第だ」と選手たちに発破をかけたという。
全日本では、7区までの全員が失敗せずにアンカーの鈴木健につないだことで、逆転優勝を引き寄せた。箱根では、二枚看板が大きな貯金をつくり、3区からの8人の総合力に託すレースプランだ。(平井隆介)