宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午前6時6分、固体燃料ロケット「イプシロン」3号機を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。約52分後、搭載した小型観測衛星「ASNARO(アスナロ)―2」を分離し、予定の軌道に投入。打ち上げは成功した。
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イプシロンは全長約26メートルとH2Aの半分ほどの小型ロケット。打ち上げ費用はH2Aの半分程度の約45億円で、3号機は2号機をさらに改良して軌道投入精度を高めた。ASNARO―2はNECが開発した重さ約570キロの商用衛星。地表の1メートルの大きさを見分けられる高性能レーダーを持ち、災害現場などの画像データの販売をめざす。開発と打ち上げに経済産業省が166億円を補助した。イプシロンの打ち上げは2016年12月以来、約1年ぶり。(小林舞子)
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固体燃料ロケット「イプシロン」3号機が打ち上げられた鹿児島県肝付町の上空では、燃焼ガスが太陽の光を浴びて明るく輝く珍しい現象が見られた。
18日午前6時6分の打ち上げの数分後、高度100キロ以上に達したロケットの燃焼ガスが上空で日の出前の太陽光に照らされ、真っ暗な空に彗星(すいせい)の尾のような白っぽい「光の帯」をくっきりと残した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、日の出直前の打ち上げで晴天だったことなど「好条件」が重なったためという。空が白んできた約30分後には、落ちてきた噴煙が赤みや青みを帯び、一筆書きのように漂っていた。