スケルトン女子に出場した小口貴子=AP
(16日、平昌五輪スケルトン女子)
特集:平昌オリンピック
言葉を動きに、動きを言葉に。「孤高の星 羽生結弦」
初めての五輪は、世界との差を痛感する舞台になった。「ちょっと悔しい」と漏らしたのは、33歳の小口貴子(丸善食品工業)だ。前半の2回戦を終えて、20人中19位。4回滑った合計タイムを競うルールだが、現時点でトップとは3秒37の差がついた。すでに逆転は不可能に近い。「私の力不足かな」
一方で、「あんな大声援の中を走ることはない」とささやかな充実感もにじんだ。何しろ、一度はあきらめた五輪だ。出場枠を獲得できず、1月下旬は「(気持ちが)完全に切れてしまった。実は4日間、引きこもっていたんです。できれば誰にも会いたくなかった」。だから、体のケアにも行かなかった。
だが、1月29日に代表追加内定の一報。「うそでしょ? 本当ですか?っていう感じ」。枠を返上した国があったという。小口は、ぎりぎりで滑り込んだ“最後の日本代表”だ。
慌ただしい時間を過ごしたことで、逆に調整に集中できた。「コンディションもどんどん上がった」。実際、1、2回戦は「スタート(ダッシュ)は、今までで最高の走りができた」。
後半の3、4回戦は17日夜。「今出せる自分の力を出したい」(吉永岳央)