KOBANインストラクターの3人。(左から)千田文彦警部補、加藤周作警部補、寺川尚吾巡査部長=中川署
どの職場にもいるだろう新人教育係の先輩。警察の世界では、交番勤務を基本から教える「実習指導員」がそれだ。でも、教え方がバラバラだと教育効果も薄いのでは――。そんな問題意識から愛知県警では今年度、指導員の「師範」役として新たに「KOBANインストラクター」を導入した。ほかの警察本部では前例がない取り組みという。
KOBANインストラクターに任命されたのは、交番勤務に優れている勤続15~20年の警部補と巡査部長の計3人。数週間ずつ、県内各地の新人と実習指導員が勤務する交番に赴き、指導員向けに職務質問や資料作成の仕方などについて助言を行う。
中川署の荒子交番(名古屋市中川区中郷3丁目)には、昨年4月に採用された新人の石田佳子巡査(26)と実習指導員の成田裕士巡査部長(35)が勤務している。ここに11月中旬から3週間、インストラクターの寺川尚吾巡査部長(37)が派遣された。その間は3人でパトカーに乗って巡回に出る。職務質問も3人で行う。
指導は具体的だ。「成田指導員には『車の運転手に職務質問するときは、危ないから車の前に立たないように』と基本をしっかりと教えるようにアドバイスしています」と寺川さん。成田さんは「自分が気づいていない視点で助言してくれ、指導の自信にもつながる」と話す。
県警地域総務課によると、従来…