トランプ米大統領は12日、今後10年間で1・5兆ドル(約164兆円)を掲げるインフラ投資の詳細案を示す。連邦政府の支出分2千億ドル(約22兆円)を、この日発表する2019会計年度(18年10月~19年9月)の予算教書に盛り込む。トランプ政権は今秋の中間選挙に向け、インフラ投資を減税に続く「実績」にしたい考えだ。
米政府高官によると、連邦政府の支出2千億ドルのうち1千億ドル(約11兆円)は、地方政府や民間による投資を促すための補助金とする。また、州政府の判断で決められる地方インフラ整備のために500億ドルを拠出するほか、インフラ計画の許認可にかかる期間を2年間に短縮する。
米政府によると、米国の主要インフラに占める連邦政府の資金は14%で、残りの86%を地方政府と民間が出している。米政府のお金を「呼び水」として、残りを地方政府のお金でまかないたい考えだ。
ただ、今後10年間で1・5兆ドル規模の減税や予算の増額で、連邦政府の財政赤字は大幅に増えるとみられている。米政府の財政悪化懸念は、金利上昇など最近の市場の混乱の要因にもなっており、財源が問題となりそうだ。(ワシントン=五十嵐大介)