米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、金融政策を決める1月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録要旨を公表した。大半の参加者が景気見通しが想定より強まったとして、利上げのペースが加速する可能性を示唆していた。
イエレン前議長が参加した最後の会合だったが、多くの参加者がトランプ政権の減税効果が想定より大きくなるなどとして、景気見通しを引き上げた。大半の参加者は「さらなる利上げが適切となる可能性が高まった」との見方で一致していた。物価の先行きには一部懸念も出たが、ほぼ全員が中期的には「年2%」の目標に届くとの見方を示していた。
FRBは先月利上げを見送ったものの、声明では「さらなる」緩やかな利上げが正当化されるとして、昨年12月から表現を強めた。FRBは今年3回の利上げを想定しており、次回3月会合で利上げに踏み切るとの見方が大勢だ。
議事録要旨の公表後、米国の利上げが速まるとの観測が広がり、長期金利の指標となる10年物米国債の利回りが一時、年2・9%台半ばと約4年ぶりの水準に上昇(価格は下落)。大企業で構成するダウ工業株平均の終値は、前日より166・97ドル(0・67%)安い2万4797・78ドルとなり、2日連続で下落した。(ワシントン=五十嵐大介)