女子SPで演技するガブリエル・デールマン=北村玲奈撮影
学習障害によるいじめや、摂食障害に苦しんだことを告白して大会に臨んでいる女子フィギュアスケート選手がいる。ショートプログラム(SP)7位で日本勢を追うガブリエル・デールマン(カナダ)は、自分の苦しみを公にすることで、「誰かの助けになりたい」と話している。
初の大舞台、輝き放つ宮原と坂本 佐藤信夫の目
言葉を動きに、動きを言葉に。「孤高の星 羽生結弦」
特集:平昌オリンピック
21日のSPで、デールマンは持ち味のスピードを出してジャンプを跳んだ。冒頭の3回転―3回転で着氷が乱れたが、その後持ちこたえて演技をまとめた。
体形が気になって食べられず、失読症のような学習障害で5歳から高校までいじめられて苦しんだ。そのことを公にすると、エフゲニア・メドベージェワ(OAR)や、同じように摂食障害で今季を休養したグレーシー・ゴールド(米)らから「体験を話してくれてありがとう」というメッセージを受け取ったという。
デールマンは「選手だけじゃなく、多くの女性が闘っている。恥ずかしいことじゃないと気づいた。私が私自身であるために通ってきた道だから、苦闘を誇りに思う。話をすることで誰かの助けになれば」。
フィギュア女子最年長の31歳のカロリナ・コストナー(イタリア)は「年齢は問題ではないことを示し、私が例になりたい」。男子のアダム・リッポン(米)はゲイであることを公にして五輪に出場。栄養不足による左足股関節の疲労骨折を体験した日本の宮原知子(関大)は、自身の栄養状態や体重について詳細を明かして五輪に臨んでいる。(後藤太輔)