デンマークのラスムセン首相(右)からメタリカのアルバムを贈られて喜ぶインドネシアのジョコ大統領(2017年11月28日、インドネシア・ボゴールの大統領宮殿/同国政府提供)
インドネシアのジョコ大統領がこのほど、当局に国家資産として取り上げられた米国の人気ヘビーメタルバンド「メタリカ」のアルバムを、1100万ルピア(約8万7千円)を払って取り戻した。デンマーク首相からのプレゼントだったが、汚職防止に関するルールに引っかかるため、所蔵できないでいた。
アルバムは、メタリカの傑作「マスター・オブ・パペッツ」(邦題「メタル・マスター」)をリマスターして昨年11月に発売したデラックス・ボックスセットで、レコードやCDが十数枚入っている。
昨年11月にインドネシアを公式訪問したデンマークのラスムセン首相が、ジョコ氏がメタリカの大ファンだと知り、同国出身のドラム担当ラーズ・ウルリッヒさんにサインしてもらって手渡した。
ジョコ氏は「私の好みをご存じだ」と喜んだが、公務員が無料で品物を受け取るのを禁じる規定があるため、国家汚職撲滅委員会(KPK)に提出。アルバムは国家資産になっていた。
同じアルバムは日本では3万円台で購入できる。KPKが設定した値段の根拠は不明だが、ジョコ氏は異議を唱えず1月末に支払い、ようやく自分のものにしたという。(ジャカルタ=古谷祐伸)