自民党の憲法改正推進本部は7日午前、執行役員会を開いた。執行部側は、大規模地震などの緊急事態時に政府に権限を集中し、私権を制限する案を含む五つの条文案を提示した。7日夕には全所属議員が参加できる全体会合を開き、意見集約を進める。
執行部は当初、私権制限を設けず、国会議員の任期延長にとどめるなど限定的な内容にする考えだったが、1月末の全体会合で異論が噴出。私権制限も合わせて検討した。
7日に提示された5案のうち、私権制限を具体的に明示したのは、2012年の党改憲草案そのものと、草案をベースに修正した案の合計2案。
2案に共通するのは、首相による「緊急事態宣言」や、内閣が「法律と同一の効力を有する政令を制定」することができると定め、政府への権限集中を明記した点だ。国民の生命や財産を守るための措置について「何人も、国その他公の機関の指示に従わなければならない」と盛り込み、私権制限も明示した。
残りの3案は国会議員の任期延長を軸にした。3案のうち1案は、災害緊急時には内閣が緊急政令を出せるなど、政府への権限集中を一定程度、盛り込んだ。