神宮前駅東側の再開発のイメージ=名鉄提供
名古屋鉄道は、財務の立て直しにめどが立ったとして、神宮前駅や大曽根駅などの沿線再開発を中心に成長投資を拡大する。26日に発表した2018~20年度の中期経営計画で、15~17年度の2倍にあたる700億円を成長に投じる。
名古屋駅、変わりゆく街
特急がとまる神宮前駅の東側では、現在駐車場がある場所に地上12階のビルを建てる。低層階は20店ほどの商業施設、高層階は100戸程度の賃貸住宅とする。来春に着工し、20年度の開業をめざす。駅の西側も再開発を進める。大曽根駅や江南駅、常滑駅にも商業施設をつくる。
老朽化している名鉄犬山ホテルと岐阜グランドホテルは、建て替えや改装を検討する。自転車のシェアサービスやドローンの操縦を指導するスクールなど新たな事業も始める。
名鉄はバブル期の多角化が痛手となり、1999年度末には約8600億円の有利子負債を抱えた。17年度末はほぼ半分の約4400億円の見込み。安藤隆司社長は名古屋市で記者会見し「財務体質の改善は一定の成果を出した。ここからは、新たな事業など将来の名鉄の核になるところに投資する」と話した。
昨年3月には、名古屋駅に近畿日本鉄道などと南北400メートルの新ビルを建てる計画を発表した。着工予定は22年度で、今回の中計に盛り込んだのは調査費などにとどまる。総事業費や内容について安藤社長は「粛々と(計画の具体化を)進めている」として、踏み込んだ発言は避けた。(友田雄大)
名鉄が今後3年で進める主な成長投資
・名駅周辺の不動産の活用
・地下鉄伏見駅での駅ナカ事業
・神宮前駅東側の再開発
・大曽根駅や常滑駅、江南駅での商業施設
・名鉄犬山ホテル、岐阜グランドホテルの建て替えや改装を検討
・名鉄インを年1店ペースで出店
・カーシェア強化。自転車、空き家のシェアビジネス参入
・ドローンスクールの開校