デビッド・ボウイ(C)Sukita
デビッド・ボウイやマーク・ボランなど世界的なロック・スターの撮影で知られる写真家、鋤田(すきた)正義さん(79)の写真展が4月3日から、福岡県直方市の直方谷尾美術館で始まる。初のふるさとでの里帰り展。「自分の原点がある」と自身が語る高校生のときの作品を含め、60年を超える活動の一端がのぞける。
写真展のきっかけは一昨年。知り合いで、直方市で写真館を営む河野一太さん(55)に鋤田さんが「地元で写真展をやりたい」と相談した。「世界的な写真家なのに、知らない地元の人も多い」と思っていた河野さんを代表とする実行委員会が準備を進めた。
鋤田さんは広告会社の勤務を経て、1970年にフリーのカメラマンに。「伝説」と言われる69年開催の米国での野外コンサート「ウッドストック」を知って音楽への関心を強め、以後、音楽業界のほか、広告やファッション、映画など幅広く活動している。
今回は、会期途中の作品入れ替えも含めて計約300点を出品する予定。デビッド・ボウイのアルバム「ヒーローズ」のジャケットに使われた写真や、ギターを抱えた「T・レックス」のマーク・ボラン、坂本龍一らがそろって赤い人民服を着たYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のジャケット写真など、世界的に広く知られる作品が目を引く。
ロック・フェスが盛んだった70年代には、他にも超大物アーティストを撮影する機会に恵まれた。ロックン・ロールの創始者の一人と言われるチャック・ベリー。夭折(ようせつ)した左利きの天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスもその一人だ。
国内ではギタリストのChar…