11月25日、中国疾病予防管理センターの疫学首席専門家である呉尊友氏は、「2021年の予想と戦略」をテーマとした「財経」の年次総会で、新型コロナウイルスの発生源に言及し、「感染が抑制された後、ウイルスが突如天から降ってくるということはありえず、必ず発生源がある。新疆維吾爾(ウイグル)自治区喀什(カシュガル)地区の感染源が最終的に突き止められ、上海と同じくコンテナであることが分かった」と明らかにした。
呉氏は、「コールドチェーンがウイルスのキャリアになると考えられていた。しかし、冬が来て、気温が0度以下になると、全てがコールドチェーンになる。ウイルスのキャリアになるモノが増え、新型コロナ対策の難度もそれにともない高くなってくる。そのため、冬季に新型コロナの感染拡大を防ぐためには、外からヒトを通じてウイルスが持ち込まれるのを防ぐと同時に、モノを通じて外からウイルスが入ってくるのを防がなければならない」と指摘した。
そして、「『ヒトからヒト』と『モノからヒト』には一定の違いがある。『モノからヒト』は、ウイルスが付着しているモノを人が触れて感染する。ウイルスはモノに付着しても、死なないだけで増えることはない。しかし、ヒトが感染すると、ウイルスは増殖する。そのため、『モノからヒト』の場合、通常ウイルスは少なく、軽症か無症状がほとんどだ。しかし、『ヒトからヒト』の場合、通常ウイルスが多く、効率よく伝播してしまう」とした。
その他、「カシュガルでの調査において、一人目の感染者が発見されて、スクリーニングを実施すると137人の感染が見つかった。そのような状況下では、見つかった感染者の中に『0号患者』はいないというのが、私たちの判断。最終的に見つかった『0号患者』は、貨物の積み下ろし作業員で、無症状感染者だった。その後、彼の妻が感染し、妻からその母親、妹が感染して、それがまた今度は工場に持ち込まれ、カシュガルの集団感染が起きた」と説明し、「新型コロナ感染が大流行する時、伝播において、無症状感染者の役割には限りがある。しかし、感染拡大がない時には、無症状感染者が感染拡大の導火線になる」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月26日