フランスのマクロン大統領=ロイター
2019年5月の欧州議会選挙に向け、早くもフランスのマクロン大統領が率いる与党「共和国前進」が選挙活動を始めた。選挙の焦点は、欧州統合の深化にどれだけの欧州市民が賛同するか。「親・欧州連合(EU)」のマクロン氏は、フェイク(偽)ニュース対策が重要な要素とみて対策を進めている。
共和国前進の運動員が7日、パリ市内で一斉に戸別訪問を始めた。「インターネットではいろいろな情報が駆け巡るけど、バーチャルな世界にはこうした直接対話で対抗しないといけない」。運動員の一人はそう強調した。フランス政府が準備を進める「フェイクニュース対策法案」を担当するニセン仏文化相も姿を見せ、朝日新聞の取材に「フェイクニュースはウイルスのように拡散する。民主主義を危機に陥れかねない」と語った。
欧州議会選は人口規模を基準に加盟国ごとに定数が割り振られる。前回14年の選挙で、フランスではルペン氏率いるEU懐疑派の右翼・国民戦線(FN)が得票率約25%でトップに立った。19年の欧州議会選でもEU懐疑派が躍進すれば、親EUのマクロン氏の政権運営に支障が出かねない。
そこでフランス政府はフェイク…